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宮崎県綾町の養蚕・天然灰汁発酵建てによる藍染めと紬・絣織の着物づくりを行う染織工房で働いております。

本藍染めで代替経済を成り立たせてみようと思ってる

トークンエコノミーという言葉。
 
 
抜粋すると
「世の中の様々な事物の権利や価値をトークン(証券化)して譲渡売買できる経済」
 
僕は単純に「代替経済」と捉えてる。
 
 
今回言いたいのは
自分の生活(仕事)環境を「本藍染め」というトークンでやれるんじゃないか
と言うよりもそれを成り立たせていきたいという話。
 
 
 
 
じゃあどうすれば成り立つのか
 
 
 
それが「共有認識を広げていく」ということ。
 
 
 この一点だけだと。
正確に言うならば自分自身の考えに共感してくれる人を増やし、関係を築いていく
 
ということか。
 
 
自分の思う共有したい認識は下記2つ。
 
① 貨幣は「信用」の代替である
 
1万円の原価は28円だと耳にしたことがあるけれど、それが10000円として成り立つのはその紙幣が世間の「信用」を獲得しているから。クレジット。
 
② 譲渡売買は「価値の等価交換」である
 
自分が所有するとして本藍染めをする場合は
素材100gあたり5000円の価値があると思っている。
貨幣経済で考えた場合。一般的には
「求める人の”金銭的”に同等の価値がある」と考えた時に成り立つ。 
 
 
しかし代替経済で考えた場合は、そうではなく
「”お互いが提案する資源またはスキル”が同等の価値がある」と考えた時に成り立つ。
 
いずれも個人の知識経験に左右される部分はあるけど
 
この関係ってとってもパーソナルでインタラクティブじゃないかなと。
 
 
 
 
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そもそもなぜこんなことを言い出したかというと、
 
 
「本藍染めは高い」という認識を変えたいから。
 
 
 
 
 
確かに、一般的には2時間のワークショップに5000円出したり、
Tシャツ1枚に15,000円出すのは気がひけるだろう。
 
 
 
 
 
でも、自分が得意な分野の「知識」や「経験」と売買できるのであれば、
そう高くは感じないのではないかと。
 
 
 
 
 
僕は養蚕や本藍染めを始め、「染織」に関する知識・経験と
大学で学んだ「農村計画」に関する知識経験はあるけど
 
 
料理はそこまで得意ではないし
財務関係もあまり強くないし
プログラミングやデザインも全く遠い世界で生きてきた。
 
僕も今お金はないけど、本藍の商品や本藍染めできる環境は提供することができる。
むしろそれしかできない。笑
 
 
でもそれで例えば、本藍染めを欲する人の中で
 
スイーツが得意な人が
藍染めワークショップ後のお茶会を企画してくれたり
 
FPの人が財務や資金管理の相談にのってくれたり
 
デザインに強い人がイベントの案内作ってくれたり
 
プロブロガーさんが本藍染めワークショップをブログで感想書いてくれたり
 
 
 
 
そんな風になればすごく嬉しいし
 
そうすればもっといろんな形で魅力を伝えることができるし、
本藍の何かを持つ人も増えて、「伝統」なんて言葉を使わずとも
「本藍染めのある暮らし」が当たり前になる。
本当に価値のある伝統工芸を未来の当たり前にできる一歩になる。
 
そんな関係、良いと思うのです。
 
 
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もちろんそれはベーシックインカムが普及するまではちょっと難しいかもしれないし
毎年全面的に支援してくれる大口のパトロンさんがいないと厳しいかもしれないけど
 
自分で藍の甕ひとつくらいはなんとか所有できそうだから。
 
こじんまりとでも試験的に始めてみることはできるだろうと。
 
 
 
 
 
でもゴールは個人ではなくて
 
 
最終的にはそれが個人の単位ではなくて
 
様々な階層からなる大きなひとつの「共同体」として
 
 
なかなか担い手が見つからず、失われそうな養蚕・染め・織の技術の保全・継承・そして発展に向けて安心して取り組める環境づくりへとつなげていけたらなと。
 
お互いのスキルを提供し合うことで、お互いが求める人であり、与える人になれる。
 
そうして本当に価値のあるものを更に価値あるものにしていけたら。
 
 
経済の語源である”オイノコミクス”は”共同体”っていう意味だって、
竹中平蔵さんが本に書いてた。
 
貨幣とトークンをうまく使って、ユニークな関係ができたらいいなぁと。
 
 
やってみませんか?笑
 

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