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宮崎県綾町の養蚕・天然灰汁発酵建てによる藍染めと紬・絣織の着物づくりを行う染織工房で働いております。

【4回目のワークショップ】そんなに深く考える必要はない。

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藍染めのストール。

 

うちの藍で染め上げられたものです。

でも染めたのは先生でも、工房の染め屋さんでも、私でもない。

 

「母親の誕生日に本藍染めのストールをプレゼントしたい」

 

とメッセージをくれた一人のお客さんです。

 

当日は夫婦でお越しいただいたので、ワークショップとして実施させてもらいました。

 

最初に藍について色々お話しさせてもらった後、

 

 糸染めを見せて、染めへ。

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今回プレゼント用のストールは、無地で染めるということでしたので

素材の簡単な扱い方も含めて、最初は共同作業。

 

 

染めて絞って 

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広げて酸化させる

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そしてまた染める

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何度も何度も染めては酸化させる。

この単純作業。地味です。でも大事です。

 

 

褐色近くになったと思います。

 

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ひたすらに地道な作業だけれど、すごく大切です。

 

 

 

最後に乾かして、

 

 

 

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袋を一緒にお渡ししました。

 

 

 

出来上がり品が、最初の写真。

 

 

 

すごく喜んでいただけたみたいですし、自分自身もすごく嬉しかったです。

 

 

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なぜそんなに嬉しかったのか。

 

 

 

プレゼントの『手段』としてワークショップを希望してくれた から

 

 

今年になって宮崎にUターンしてきたこの方は、

 

【母親に誕生日プレゼントを贈る】

という目的に対して

 

そのために何かプレゼントを用意する

どこかのショップで選んでラッピングして渡す

 

というのと同じ感覚で

 

宮崎にあるうちの工房でストール染めてプレゼントする

 

という手段を選んでくれた。はずだから。

 

 

 

プレゼントとしてのワークショップ

 

家族ぐるみのレクレーションとしてのワークショップ

 

生まれてくる子供に贈るワークショップ

 

とか、いろんな形を考えられたらいいなと思案しております。

 

 

 

それでいろんな人が喜んでくれたら俺も藍も工房もきっと嬉しい。

いや間違いなく嬉しい。

 

 

それを「やりたい」とか、尋ねる前に希望してくれる方がいたというのは

 

すごくありがたかったです。

 

 

 

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さて、今回のを通して何が言いたいのかというと

 

 

「伝統工芸とかってそんなに構えるものじゃない」

「そんなに深く考える必要はない」

 

ということ。

 

例えば、自分がこういった進路を選んだことに対して

「伝統工芸を〜」とか「地域の伝統を〜」とか言われるけれど

 

 

 

「伝統工芸って昔の当たり前だからね?」

 

 

っていう前提で考えて欲しいなと。

 

 

 

昔の当たり前って、要は世間的に「フツー」のこと。

200年前なら私は世間的なサラリーマンであったかもしれない。

 

そもそも何年以上が伝統とかいう基準もないのに

それによって変な価値を高めようとしてるし、

リテラシー下げてるし現実との乖離を進めてるし

結果世間との距離が開いてしまっているのはおかしいし、

そのくせ補助金にあぐらかいてる変なおっさん達多いし。

だからこそ衰退してるんだと。

 

 

 

イノベーションとは未来の当たり前を作ること」

 

 

みたいなのを聞いたことあるけど、いわゆる伝統工芸だってそうだと。

 

 

いわゆる伝統工芸だって作り手側もそんな大義名分に固執せずに、この視点から未来の当たり前作ろうよと。

 

 

最低限の守るべき基準は果たしつつ、そういう環境を構築していけたら、

 

きっと伝統工芸は身近なものになるし、楽しいものになるはずですし、

 

 

何より「伝統工芸」って捉えられる必要がなくなる。

 

 

うまくいけば下手な話、ファストファッションが100年後伝統になってるかもしれない。笑

 

世間の基準が変われば、伝統の基準も変わる。

 

 

そうなったら、勝ち?かな。

 

 

その日の様子はこちらからどうぞ。ほとんどこちらから画像お借りしました。

動画もあるよ!

 

https://www.facebook.com/yuichi.higashi.5/posts/938115662958921

 

宮崎のローフード王子、東さん。奥さん。

そしてさわしょ。笑

ありがとうございましたー!

 

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